妊婦歯科健診
これからママになるあなたへ
妊婦歯科健診を受けましょう!
妊娠すると、ホルモンバランスの変化やつわりによる歯みがき不足などが原因で、歯肉が腫れやすくなったり、むし歯になりやすい状態となります。重度の歯周病により、早産・低体重児出産の頻度が高まる可能性も報告されています。
ママのお口の中の健康状態が、生まれてくる赤ちゃんに大きく影響します。
できるだけ妊娠12週~27週頃に歯科健診を受けましょう!
受診条件
受診対象者:横浜市内に住民登録のある妊婦の方
受診回数:妊娠期間中に1回 (無料)
妊婦歯科健診受診券交付:母子健康手帳と一緒にお渡ししている、健診券綴りに入っています。
健診費用:無料
妊娠期のお口トラブル
(1)妊娠時に見られやすい歯やお口の問題
①歯肉に腫れや出血がある
②冷たいものや熱いものがしみる
③歯や歯肉に痛みがある唾液が粘っこい感じがする
④気分が悪く、歯みがきができない
⑤食事回数が増えて、歯垢が溜まりやすく感じる
(2)妊娠期の歯・お口の健康リスク
妊娠により女性ホルモンが急激に増加することで、プレボテラ・インターメディアという歯周病原性細菌が増殖しやすくなり、また血管の透過性が高まり、唾液の粘性が高まって口腔の自浄性が低下することで歯肉の炎症や出血が起こりやすくなります。また、「つわり」による食嗜好の変化や歯みがきの困難、胎児の発育による食事回数の増加とそれに応じた口腔ケアが不足しがちなことなどにより、口腔環境は悪化してむし歯や歯周疾患のリスクは高くなります。
(3)対策
①妊娠中は、食生活や口腔ケアの問題からむし歯や歯肉炎にかかりやすいことを伝えて、普段以上に気を付けてもらうことが大切です。
②食事や間食の回数が増すので、食後の歯みがきやうがいをこまめに行うようにしましょう。
③「つわり」の時には、できるだけ気分のよい時に歯みがきを行い、みがけない時はぶくぶくうがいをしましょう(ヘッドの小さな歯ブラシを使うとよいでしょう)。
④食嗜好も変わりやすいので、糖分の多い飲食物や酸性食品をだらだら食べることは控えましょう。
赤ちゃんのお口トラブル
(1)赤ちゃんの歯の発育
子どもの歯が生え始めるのは生後6~8カ月頃ですが、歯のもとになる芽(歯胚)ができ始めるのは妊娠7~10週頃です。妊娠4~5カ月頃からは この歯の芽にカルシウムやリンがくっついて少しずつ硬い組織になり、歯の形を作っていきます。一部の永久歯の芽も妊娠期から作られ始めます。
(2)歯の発育に必要な栄養
歯の発育に必要な栄養は、歯を硬くするカルシウムやリンばかりでなく、歯胚の形成に役立つ良質のタンパク質、カルシウムの代謝を助けるビタミン D、Eや歯質の基礎を作るビタミンA、Cなど様々です。赤ちゃんの丈夫な歯を作るためにも、バランスのとれた食事を心がけるようにしましょう。
(3)赤ちゃんの歯科保健
健康な状態でも、お口の中にはたくさんの細菌がいます。むし歯菌の代表的なものは「ミュータンス菌」で、この菌は歯の表面に付着して増える性質をもっています。生まれたばかりの赤ちゃんのお口の中にはミュータンス菌はいませんが、やがて周囲の人のお口の中にいたミュータンス菌が唾液などを介して、赤ちゃんのお口の中に入ってきます。それでも歯が生えないうちはミュータンス菌が住み着くことはありません。乳歯が生えてきて、糖分を含む食べ物を摂るようになると、ミュータンス菌が住み着きやすくなります。授乳や食事の後はガーゼや歯ブラシで歯をきれいにしましょう。